「薄毛は遺伝だから仕方ない」と思っていませんか?
実は、食生活が髪の成長を大きく左右することが科学的にも分かっています。
僕自身、30代で生え際が気になりはじめ、必死に育毛剤やシャンプーを試しましたが、結局たどり着いた答えは「毎日の食事」でした。

30代前半に薄毛が気になり、ひたすらに育毛・発毛成分やら髪の健康を保つための食生活について熱心に調べた時期もあります…
そこでこの記事では、薄毛予防に必要な栄養素と食材を分かりやすく解説します。
こんな悩みをもつ方におすすめです。
- 髪について理解を深めたい
- 将来、髪で悩みたくない
- 薄毛対策になる栄養成分を知りたい
薄毛になる原因は?

まず、前提知識として薄毛の原因は
男性ホルモンや遺伝的要因などがあります。

しかし、それ以外で生活習慣も大きく関係することは想像が容易につくでことしょう。
そして、そのうちの一つが
今回の記事のテーマである「食生活」です。
食生活から吸収した栄養は血液から栄養を毛髪に供給し、細胞が活発に分裂することで形成されます。
実際に薄毛と食生活の相関関係を調べたデータでは、薄毛でない人のほとんどは栄養バランスのいい食事を摂っていることがわかっています。
とはいえ、具体的にどんな食べ物が薄毛対策になるのかイメージしづらいですよね。
そこで、髪が育つメカニズムから必要な栄養素や摂るべき食べ物をご紹介します。
そもそも髪は何からできている?

いきなり…「栄養バランスがとれた食事をしてください!」
このように聞くと、主食や主菜、副菜…と何品も食べないといけないのかと思う人は多いと思います。
でも大丈夫!健康な髪を育てるということだけを考えれば、毎食何種類ものおかずを用意する必要はありません。

そのためには、まず髪の元となる成分を知ることが大切!
栄養素×効果×食材【一覧表】
| 栄養素 | 期待できる効果 | おすすめ食材 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 髪の材料(ケラチン生成) | 鶏肉、牛肉、卵、納豆、豆腐 |
| 亜鉛 | 髪の成長・抜け毛防止 | 牡蠣、赤身肉、のり、ナッツ |
| ビタミンA | 髪を太く健康に | 人参、かぼちゃ、ほうれん草 |
| ビタミンB2 | 頭皮の血行促進 | まぐろ、鶏肉、バナナ |
| ビタミンE | 抗酸化作用で細胞を守る | アボカド、ナッツ、オリーブオイル |
結論からいうと、最大の毛髪の主成分は
タンパク質(ケラチン)になります。
(出典:日本化粧品検定1級 対策テキスト コスメの教科書、小西さやか著)
このケラチンは18種類のアミノ酸が結合してできており、髪以外にも爪や皮膚を形成している成分。そして、このケラチンには「シスチン」という必須アミノ酸が含まれていることも忘れてはなりません。
そして、このケラチンが不足すれば髪にハリやコシが無くなったり、抜け毛の原因につながる恐れもあるので覚えておきましょう。
○必須アミノ酸とは?
生命維持に必要なアミノ酸のことで、体内で生成することが困難な成分。そのため、食事で積極的に補う必要がある重要な栄養素になります。
次の章から、それぞれの栄養素について詳しく解説します。
髪の主成分は「タンパク質」

毛髪のほとんどは「ケラチンタンパク質」からできていることは先ほど説明したとおり。となると、良質なタンパク質の摂取がカギを握ることはいうまでもありません。
人間のカラダは「約60~70%は水分」で出来ていますが、その次に多いのがタンパク質だということがわかっています。

つまり、タンパク質は髪だけでなく、生きていく上で欠かせない栄養素の一つ!
このタンパク質は
大きく分けて2つに分類することができます。
➊ 動物性タンパク質
➋ 植物性タンパク質
これをさらに細かく分類すると、
・大豆タンパク
・小麦タンパク
・ホヘイ
・カゼイン
・卵白
この5種類に分けることができます

よく、動物性タンパク質と植物性タンパク質のどちらを摂るべきか?という質問を受けます。
結論をいえば…
そのどちらも必要な栄養素になるのです。
詳しくその理由を解説します。
動物性タンパク質
主に肉や魚、牛乳やたまごなどから摂れるタンパク質のことで、最大のメリットは必須アミノ酸を含んでいる点。
髪にはシスチンという必須アミノ酸が含まれており、その必須アミノ酸は体内で生成することができないことを考えると、積極的に摂取したいタンパク質であることがわかります。
植物性タンパク質
動物性タンパク質と比べて水溶性ビタミンを多く含んでいるのが特徴。こちらも同様に髪を生成するうえで欠かせない栄養素になります。

つまり、動物性タンパク質と植物性タンパク質では特性が異なるため、バランス良く摂取することが必要になってくるわけです。
タンパク質が含まれるおすすめ食材
牛肉、鶏肉、さんま、たまご、チーズなど
納豆、ごま、落花生など
髪の生成をサポートする「亜鉛」

髪のために積極的にタンパク質を補おうとする人は多いのですが、意外と見落とされる栄養素なのが亜鉛です。
亜鉛は、タンパク質の合成や細胞の新陳代謝に使われるなど重要な役割を担っており、毛髪の主成分であるケラチンタンパク質の生成に欠かせない存在。

2015年に厚生労働省が行った調査では、若い世代を中心に亜鉛不足の傾向にある人が多いことが明らかになっています。
では、亜鉛が不足すると…
どんな悪影響があるのか?
それは、
➊ 髪の成長が阻害され、抜け毛の原因になる
➋ メラニンが生成されにくくなり白髪になる
こういった可能性が指摘されています。
ただ、忙しいビジネスパーソンはそうしても栄養バランスが偏ります。
特に亜鉛は意識して摂取しないと不足しがちになるので注意しましょう。
亜鉛が含まれるおすすめ食材
牡蠣、のり、赤身肉、ごま、そら豆、きなこなど
髪の健康に必要な「3つのビタミン」

髪の成長には、ビタミンも欠かせません。
なかでも、髪の健康にいいとされるビタミンは
次の3種類です。
➊ ビタミンA
➋ ビタミンB2
➌ ビタミンE
順番に解説します。
ビタミンAが不足すると髪が脆くなる
ビタミンAは、主に髪の新陳代謝を促すのに必要な栄養素。
ゆえに不足すると髪質が細くなったり、髪が抜けやすくなったりすると考えられています。

過剰摂取すると頭皮の栄養障害を起こす可能性あります。
普通の食生活で過剰になることはないですが、サプリメントを検討している方やタブレットを愛飲している人は気をつけましょう。
ビタミンAが含まれるおすすめ食材
人参、かぼちゃ、ほうれん草、パセリ、焼海苔、ホタルイカ、しそなど
ビタミンB2は血行促進が期待できる
ビタミンB2は頭皮の新陳代謝を促し、毛細血管を丈夫にすることで髪に栄養を届きやすくする働きがあるといわれています。
血管の約9割は毛細血管が占めており、この血管としての機能が衰えると、十分な酸素や栄養が行き届かなくなったり老廃物が蓄積しやすい原因になることを覚えておきましょう。

薄毛予防は健康な血管を維持することも重要なんですね。
ビタミンB2が含まれるおすすめ食材
まぐろ、鶏肉、バナナ、パプリカなど
ビタミンEで抗酸化作用UP!
ビタミンEが優れている点は、なんといっても
抗酸化作用が高いこと。
人間は生まれた瞬間から老化が進んでいくわけですが、カラダはさまざまな生活習慣が起因して酸化します。
髪も例外ではなく、放っておくと細胞の機能が衰えて新しい細胞が作られにくくなってしまうので食生活で補う必要があるんですね。
ビタミンEを摂取することで、髪へ質の高い栄養が送られるようになり「育毛をサポート」してくれる役割があります。
ビタミンEが含まれるおすすめ食材
アボカド、西洋かぼちゃ、ナッツ類など
ここまで、参考になりましたでしょうか。
健康な髪に必要な栄養素は
「タンパク質、亜鉛、ビタミン」
過剰摂取すると逆効果になるため、程よいバランスで摂るようにしましょう。
地中海の人は薄毛が少ない?

髪に良いとされる栄養素として
3つを挙げてきましたが、
・タンパク質
・亜鉛
・ビタミン
実はこれらを効率よく摂れる食事が
「地中海料理」です。
地中海沿岸諸国に該当するのはギリシャやイタリア、フランス、スペイン、モロッコ。
彼らの食文化は古来より、魚や野菜、フルーツ、ハーブ、オリーブオイルなど大量に食べる習慣があり、先ほど挙げた「3つの栄養素」をまんべんなく摂ることができています。

実際に薄毛じゃない人は、こうした地中海式の食事を好む傾向にあるというデータも!
休日の2日間は自炊してみたり、外食をイタリアンにするといった工夫をしてみるのもいいかもしれません。
まとめ:髪もカラダも食事から作られている!
いくら薄毛治療をしようが効果のある育毛剤を使っていても、日常生活が乱れたままではその効果を十分に発揮することはできません。
薄毛は遺伝云々ではなく、髪の成長や頭皮環境を整える手段は、食事や健康に気遣った日常生活も大きく関係することを理解しておきましょう。



