今回は、男のボディケアで重要な「体臭の原因や正しいケア方法」について解説します。

「自分は大丈夫」と思っているかもしれませんが、自分のニオイは意外と気づかないもの。
体臭がニオイやすい人には「いくつか共通点」があることがわかっています。
本記事を読むことで、「効果的なニオイケア」ができるようになります。
この記事はこんな人におすすめです。
- 自分の体臭が臭っていないか気になる
- ニオイで周りに不快な思いをさせたくない
- 初対面で嫌われたくない
- 自分に自信をつけたい

こんな悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「体臭がきつい人」になりやすい共通点7つ

まず、体臭は「生理状態やライフスタイル」などによって変化します。
以下に当てはまる方は、体臭が発生しやすい傾向にあるので注意しましょう。
- 顔がテカりやすい
- 暑がりで汗をかきやすい
- 肉や高脂肪の食事を頻繁に食べる
- 喫煙者である
- 肥満気味である
- 便秘になりやすい
- 運動習慣がない
それぞれの原因について解説します。
その①:顔がテカりやすい
ニオイは、「汗や皮脂が常在菌に分解される」ことで発生します。特に、顔のTゾーンは皮脂の分泌が多い上に男性の肌は女性の肌と比べて「皮脂分泌量が約2~3倍多い」といわれています。
男性の肌は皮膚が厚く、キメが粗くて毛穴が目立ちやすい傾向があり、肌触りもザラザラしがちに。また、女性の肌に比べて皮脂の分泌量が2~3倍と多いですが、その一方で、保水力に関わる角層細胞面積が女性より少なく、水分蒸散量は2倍以上、肌の水分量は女性のわずか30~50%です。
出典:女性と男性の肌はどう違うの?~男女別スキンケアのポイント~(FUJIFILM)
スキンケア習慣がない方は、知らずしらずのうちに顔が脂臭くなっているかもしれません。
その②:暑がりで汗をかきやすい

脇汗が多くて悩んでいる方は多いですね。
脇の下は他の部位と比べても閉塞的な空間で、汗が蒸発しにくく「皮膚常在菌も多い」ので臭いやすい部位でもあります。ですから、脇の汗を臭わせないためには「常在菌に分解される前に汗をこまめに拭く」ことが大切です。
その③:肉や高脂肪の食事を頻繁に食べる

食事は体臭に影響を与える要因の一つ。
なぜなら、肉や高脂肪の食事に含まれる「動物性のタンパク質や脂質」は、分解されると加齢臭や皮脂臭のトリガーになるからです。もちろん、豆腐や納豆などの豆類、芽キャベツやブロッコリーといった野菜にも「植物性タンパク質」が多く含まれています。
一方に偏るのは良くないですが、そのどちらも「過食せず、バランスよく摂ること」を心がけてください。
その④:タバコを吸う


美容や健康面からいっても喫煙をしていいことは何一つありません。
そもそも汗は「体温を調整」するために発汗するのですが、タバコを吸うと「体温調整中枢が刺激されてを発汗量が増える」といわれています。
発汗量が増えると「雑菌も繁殖」するので、臭いやすくなるというわけです。
タバコに含まれる有害物質が血液に溶け出し、体内にめぐることで「体臭自体がタバコ臭くなる」という報告もあります。
その⑤:肥満気味である
脂肪は体温を守る役割があるため、体の熱がこもりやすい。そのため、発汗量も増えますし、汗も蒸発しにくいので臭いやすいといえます。
かいたばかりの汗は無臭ですが、常在菌に分解されることでニオイを発生させます。

こまめに汗を拭くことが大切ですよ。
その⑥:便秘に悩んでいる

便秘で体臭が臭う原因は、悪玉菌の増加で腸内に「有害物質を含んだガスが発生」するからだといわれています。
腸内で発生したガスは、腸壁から吸収されて血液に溶け出して体をめぐり、その結果、「体臭や口臭としてニオイの原因」になるわけです。

長時間のデスクワークや日々のストレス、運動量の低下など男性でも便秘になるリスクは十分にあるので注意してください。
その⑦:運動習慣がない
運動習慣がないと「汗腺機能が低下」するため、体臭がきつくなりやすいです。
とはいえ、運動習慣がない人がいきなりジムに通ったり、ジョギングをはじめてもまず続きません。そこで、家事や通勤などの時間で日常生活の中で生じる運動量「NEAT(ニート)」を増やすのがおすすめです。

たとえば、階段を使い「上り下り」する、一駅分多く歩くなど自分ができる範囲のことをやるだけでも変化は現れます。
汗腺を鍛えてサラサラとした「いい汗」をかくことが、体臭を防ぐ秘訣でもあるのです。
体臭の原因は「汗」と「皮脂」にある

ここからは、「体臭が発生する原因」について解説します。
結論からいうと、体臭のもととなるのは体から分泌される「汗」「皮脂」そして「皮膚常在菌」。不快なニオイは、汗や皮脂が古い角質と混ざり合うことで皮膚常在菌に分解されることでニオイが発生します。
汗にも種類がある

汗を分泌する汗腺には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2つがあります。
アポクリン腺
耳の裏や脇の下などごく一部に存在し、
アポクリン腺から分泌される汗は本来無臭ですが、常在菌の分解によってニオイが発生する。
エクリン腺
全身に存在する汗腺。
エクリン腺から出る汗の99%は水分で、
それ以外はほぼ塩分といわれています。
「そのほとんどが無臭」です。
汗腺には老廃物など「不要な成分をろ過」する機能があるのですが、発汗量が多いとろ過しきれずにニオイが発生しやすくなるわけです。
皮脂が多い部位はニオイやすい
人間の体には、「脂漏部位」という、皮脂の分泌が多い場所があります。
皮脂が多いということは、臭うリスクも高いことになるので、清潔に保つことが大切です。
主な脂漏部位…
- 頭皮
- Tゾーン
- 耳のうしろから首
- 胸
- 脇の下
- 背中
これらの部位は、加齢臭が発生しやすい部位でもあります。
加齢臭とは…
皮脂腺から分泌される脂肪酸が酸化して「ノネナール」という物質になることで、独特なニオイを発生させます。
最初にもお伝えしたとおり、体臭の原因は「汗」と「皮脂」なので、体を清潔に保つことが一番の対策方法です。

汗をかいたら速やかに拭く、体を丁寧に洗うなど適切なケアを心がけてください。
「不快なニオイ」は第一印象を悪くする

自分の体臭はなかなか気づきにくいもの。
だからこそ、「自分は大丈夫」と思っている人も少なくないかもしれません。
ですが、心理学の知見からいってもニオイに関する記憶は残りやすく、第一印象に大きな影響を与えるので、日頃からケアはしておくべきです。

ここで一つ、日用品などで有名なP&Gが2014年に行った第一印象に関する調査をご紹介したいと思います。
※20~40代の会社員600人を対象
職場で初対面の人に対し、どのような要素が「第一印象の形成」に影響を与えるかを調査。
男性の回答は…
「礼儀正しさ・ビジネスマナー」を最重要視
女性の回答は…
ニオイなどを含めた
「清潔感」や「身だしなみ」を最重要視
ちなみにこの調査では、女性の回答から、男性の「ニオイに対する意識」は3割程度にも及ぶことがわかりました。
人の第一印象は一度決まると、それを裏付ける箇所ばかりに意識が向くようになります。
また、ニオイの情報は脳に伝達されるので記憶に残りやすく、どんなに身なりを整えて礼儀正しくいても
女性相手の場合、ニオイで失敗すると第一印象はマイナスに働いてしまいます。

体臭は誰にでもあるものと認識し、日頃からケアをしておくことが大切です。
科学的に正しい体臭対策6つ

では、具体的にどうすれば「ニオイのリスク」を減らせるのでしょうか。
体臭がきつくなりやすい共通点、体臭の原因から科学的に正しいニオイ対策をご紹介します。

清潔感が“命”でもある美容家の僕も日ごろ実践しているものです。ぜひ参考にしてみてください。
対策①:こまめに汗を拭く

前述のとおり、かいた直後の汗は「無臭」。
ですから、汗は臭う前にこまめにタオルなどで拭き取るのがポイント。よく汗をかくという方は、ハンカチではなく「少し大きめのタオル」を持ち歩くといいでしょう。

使ったタオルにニオイが染み付かないように速やかに洗うことも重要です
対策②:デオドラント・制汗剤を持ち歩く
「こまめに汗を拭くのは面倒…」という方は、携帯しやすい 「デオドラント・制汗剤」をカバンの中に1つ入れておくといいでしょう。
このデオドラントには、「制汗」「抗菌」「消臭」「マスキング」という4つの役割があります。
- 制汗:汗を出にくくする
- 抗菌:皮膚常在菌の繁殖を抑制する
- 消臭:発生した体臭をニオイを抑える
- マスキング:悪臭を別のニオイで包み隠す
1つで全て担えるものもありますし、制汗と抗菌に特化したものもありますので是非、自分に合ったデオドラントを選んでください。
特に男性の場合…
・「汗をかきやすい」
・「なるべくかさばるものは持ちたくない」
という方が多いと思うので、「シートタイプ」がおすすめです。
ほかにも肌に直接塗る「ロールオンタイプ、スティックタイプ」は小さい上に防臭・消臭効果に優れています。
対策③:体を丁寧に洗う
耳の後ろから首にかけてや、脇の下は、皮脂が多い「脂漏部位」とされており、ニオイやすい部位でもあります。

男性は今まで以上に丁寧に洗うことを心がけてください。
また、洗うときは以下のポイントを抑えておくとニオイにくくなります。
ボディソープは男性向けのものを使う
男性向けのボディソープは、皮脂が多い男性のために洗浄力がコントロールされています。
「洗浄力が優しい=肌に優しい」というイメージがあるかもしれませんが、洗浄力が弱すぎると洗い残しの原因になり…かえってニオイやすくなるので注意です。

ここで一つ、AKITOがオススメする「ボディーソープ」をご紹介させていただきますね。

体は皮脂が少ない分、適度な保湿が必要。
こちらのアイテムは、女性に比べ体毛の多い男性の肌でも効率よく汚れを落とせるように、柔らかいパウダーによる物理的な洗浄もできるように設計されています。
体は「手洗い」が基本
かたいボディタオルでゴシゴシ擦りすぎてしまうと、肌が乾燥する原因に。
ボディソープを泡立てて、手で洗うだけでも汚れは十分に落ちます。こすりすぎず、「適度洗いができる手」は理にかなった方法といえるのです。どうしてもボディタオルで体を洗わないと気持ち悪いという方は、「週1~2回」までにとどめてください
背中はやわらかいボディタオルで
手が届きにくい背中などは、綿や麻といったやわらかい素材のボディタオルで洗うのがおすすめ。
特に背中は洗い残しが目立つ部位で、ニキビやブツブツができやすいのでまんべんなく丁寧に洗うこと心がけてください。
対策④:機能性肌着を着る
体臭対策は、肌着が吸収した汗から臭うことも考慮する必要があります。
たとえば、皆さんもご存じであろうユニクロのエアリズムのような「機能性肌着」は通気性がよく、汗が皮膚常在菌に分解される前に湿気を放出するため、ニオイにくいです。
逆に、「コットンなどの天然繊維素材」は吸収性に優れているがゆえにベタつきやすく、乾きにくいので特に汗っかきの方はおすすめしません。
対策⑤:食生活を見直す

お肉や揚げ物、背脂たっぷりのラーメンなど、「高脂肪の食事」が多い方は体臭がきつくなりやすいので要注意です。
僕の周りでも、食生活を改善したら奥さんや彼女からニオイを指摘されなくなったという話は多々あります。

体は正直なので必ず変化は現れます。
まずは自分のできる範囲で、少しずつ改善していきましょう。
対策⑥:適度な運動を心がける
皮膚科学の世界では、体臭がきつくなりやすい要因の一つとして「汗腺機能の低下」が挙げられます。
簡単に説明すると、運動不足の方は汗腺機能が低下しやすく、ベタベタとした“臭いやすい汗”をかきやすいというわけです。
ベタベタの悪い汗になる原因は、汗腺が正しく機能していないためです。
汗腺は、比較的新しい器官なので使わなければすぐに機能が衰えてしまいます。日頃からエアコンのきいた室内でばかり過ごしていたり、運動不足などで汗をかく機会が減れば、汗腺の機能も低下しやすくなります。
とはいえ、いきなりジムに通ったり、ジョギングを始めたりするのはずいぶんとハードルが高いと思います。
そんな方は、
- 階段で上り下りをする
- 1つ手前の駅で降りて歩く
- 「ながら運動」をする
など日常生活の中で少し工夫するだけでも十分な運動不足解消につながります。
長く続けるポイントは、少し頑張ればできる負荷に設定すること。
ぜひ今日から実践してみてください。
まとめ:体臭は他人事ではない!ニオイケアは思いやり
ここまでの内容をまとめます。
- 体臭は誰にでも起こり得る問題である
- 生理状態や生活習慣によって体臭は変化する
- 臭わせないためには「汗」と「皮脂」を
マネジメントしよう
体臭はとてもデリケートな問題なので、よほど親しい間柄でないと指摘しにくいですよね。
自分の家のニオイは無臭だと思っていても、他人の家のニオイは感じやすいのと同じで、自分の体臭は気づきにくいもの。「自分は大丈夫」と過信せず、他者への気遣いだと思ってこまめにケアを心がけましょうね。
